<施策・機関の概要>

低所得世帯であったり、安定した仕事についている人が世帯にいないときなどには、民間の金融機関での借入が難しい場合があります。そうした世帯でも利用できるのが、社会福祉による貸付制度であり、代表的なものに生活福祉資金貸付制度と母子寡婦福祉資金貸付制度があります。

<Q&A>

Q1 何のためのお金を借りることができますか。

生活福祉資金は、①総合支援資金、②福祉資金、③教育支援資金、④不動産担保型生活資金からなります。

総合支援資金:収入の減少や失業等により生活に困窮している世帯に、生活費や住宅入居に必要な費用、その他一時的に必要な費用を貸付

福祉資金:技能習得に必要な費用、療養に必要な経費およびその間の生計の維持に必要な費用、冠婚葬祭に必要な費用等

教育支援資金:高校・大学等への就学に必要な費用等

不動産担保型生活資金:居住用不動産を担保として高齢者世帯に生活費を貸付

母子寡婦福祉資金は、事業開始資金・事業継続資金、修学資金・就学支度資金(高校・大学等への就学に必要な費用等)、技能習得資金、修業資金、就職支度資金、医療介護資金、生活資金、住宅資金、転宅資金、結婚資金からなります。

さまざまな内容の貸付けがありますので、実際に相談してみるのがよいでしょう。

Q2 どこで借りることができますか。

生活福祉資金は、都道府県社会福祉協議会が実施主体となっています。借入相談・申込は、お住まいの市区町村社会福祉協議会に行うことになります。また、お住まいの地域の民生委員を通じて申し込むことも可能です。

母子寡婦福祉資金の実施主体は都道府県です。借入相談・申込は、お住まいの市区町村の母子福祉担当窓口で行うことになります。

Q3 借りるための条件はありますか。

生活福祉資金の対象となるのは、低所得世帯、障害者世帯、高齢者世帯です。世帯の種類により、利用できる資金が異なります。なお、「低所得世帯」の目安は市町村民税非課税程度ですが、具体的な所得制限等は実施主体で異なりますので、お住まいの都道府県社会福祉協議会にお問い合わせください。

母子寡婦福祉資金については、母子世帯の母、寡婦、母子福祉団体等が貸付対象となります。父子世帯は対象になりません。こちらについても、実施主体で異なる部分がありますので、お住まいの市区町村母子福祉担当にお問い合わせください。

Q4 働いている人がいなくても借りることができますか。

失業中や不安定就労の状態でも利用可能です。就労支援のための貸付け(技能習得費用の貸付けや、就職活動中の生活費の貸付け等)もあります。

Q5 担保や保証人は必要ですか。

不動産や預金などの担保は必要ありません。一部の貸付けを除き、原則として連帯保証人を立てる必要がありますが、連帯保証人なしでも利用は可能です。連帯保証人の有無により、貸付利子が異なります(連帯保証人なしの場合は年利1.5%、連帯保証人ありの場合は無利子)。

Q6 奨学金と同じように、進学する子どもが借りることはできますか。

生活福祉資金の教育支援資金、母子寡婦福祉資金の修学資金・就学支度資金については、進学する子どもを借受人とすることが可能です。この場合、世帯主や親権者は連帯借受人や連帯保証人となります。奨学金と同様、これらの資金を利用して進学した子ども自身が、将来返済していくことを制度上は前提しています。したがって、さらに進学した場合に、在学期間中の返済を猶予する仕組みもあります。

Q7 他の借金や滞納金がありますが、これらの制度を利用できますか。

他の借金や滞納金がある場合には、そちらの問題を先行して解決する必要があるでしょう。法テラス等に相談するのもひとつの方法です。また、生活福祉資金では、滞納している公共料金等の立て替え費用や、債務整理をするために必要な費用の貸付に関する相談も受けています。

Q8 どのくらいの期間で返済することになりますか。

貸付金の種類と借りた金額によって異なります。

Q9 収入の減少等によって返済が困難になった場合、どうしたらいいですか。

大学等への進学・就学のための費用など、借入額の大きい資金については、十年以上かけて返済することになります。返済期間中に生活状況が変動することは十分に考えられます。返済猶予、返済免除の手続きをとることができる場合もあります。猶予や免除の要件を満たさなくても、返済月額や返済期間の見直しができる場合もあります。

いずれにしても、返済が困難になったり、そうした事態が見込まれる場合には、すぐに市区町村社会福祉協議会や、市区町村母子福祉担当(母子自立支援員)に相談してください。