<施策・機関の概要>
共働き家庭・ひとり親家庭などの小学生の放課後(土曜日、春・夏・冬休み等の学校休業日は朝から1日)の生活を継続的に保障し、そのことを通して保護者の働く権利と家族の生活を守ることが、学童保育の役割です。
学童保育は全国に2万843か所あり、入所児童数は84万6919人(2012年5月1日)です。
<Q&A>
Q1 くわしいことは、どうしたらわかりますか? お住まいの自治体にお問い合わせください。役所の代表番号に電話して「放課後児童クラブを利用したい」と伝えれば担当部署に取り次いでくれます。呼び名は各自治体により様々です(Q2参照)が、どの自治体でも「放課後児童クラブ」または「学童保育」といえば通じるでしょう。ホームページや広報で、担当部署(直通の電話番号)、学童保育の説明、申し込み方法や保育料などを掲載している自治体もあります。お子さんが通っている保育所の保育士や先輩保護者、一緒に入学する他のご家庭の保護者に相談するのもいいでしょう。
Q2 自分の住んでいる自治体には「学童保育」という名称の事業や施設がないのですが…
「学童保育」という呼び名は、保護者・指導員の運動のなかから生まれた言葉で、今では、ひろく一般的に使われていますが、自治体により、「児童クラブ」「留守家庭児童会(室)」「児童育成会(室)」「育成室」「子どもルーム」「学童保育クラブ」「学童クラブ」など、さまざまな名称が使われています。国(厚生労働省)は、この事業を「放課後児童健全育成事業」とし、学童保育のことを「放課後児童クラブ」と称しています。
Q3 学童保育はどこにでもあるのですか?
多くの自治体・小学校区には学童保育がありますが、約1割の自治体にはひとつもありません。また、全国で約2割の小学校区には学童保育がありません。学童保育は、子どもが小学校から歩いて行くことが基本ですので、お子さんが通う小学校区に学童保育があればいいのですが、場合によっては近辺の他校区にある学童保育まで、バスなどを利用して通っているという地域もあります。
Q4 対象児童は? 何年生まで通えるのですか?
法律では、「小学校に就学しているおおむね10歳未満の児童であって、その保護者が労働等により昼間家庭にいないもの」が対象とされています。約5割の自治体では3年生までですが、6年生まで通えるところもあります。なお、2012年8月に改正された児童福祉法では、「小学校に就学している児童であって、その保護者が労働等により昼間家庭にいないもの」とされ、対象児童は6年生までとされました(2015年4月施行予定)。
Q5 開設日・開設時間は何時までですか? 夕方はお迎えがあるのですか?
土曜日や学校の長期休業日も含めて開設しているところがほとんどです。しかし、土曜日は開設していないところや、4月1日から入学式までの期間は新1年生を受け入れていない自治体もあります。
夕方、何時まで開設しているかは自治体や学童保育により実態が様々ですが、18時ちょうどまでの開設が約4割、6時半以降までというところが約5割あります。
学童保育から各家庭まで子どもたちだけで帰るところもありますが、保護者のお迎えを義務づけているところも少なからずあります(学年や時期、帰る時刻によって対応を変える場合もあります)。
Q6 保育料はいくらですか? 保育料の減免制度はありますか?
多くのところで保育料を徴収しています。5000円~1万円程度のところが多いのですが、2万円を超えるところもあります。保育料の他に、2~3000円程度のおやつ代を徴収している場合も少なくありません。保育料の減免制度は6割近い自治体であります。減免制度がある場合でも、その内容は各自治体によって様々ですので、お住まいの自治体にお問い合わせください。
Q7 学童保育で子どもたちはどのようにすごしているのですか?
子どもたちは学童保育に「ただいま~」と帰ってきます。学童保育での生活の大部分は遊びです。地域や学童保育によって違いがありますが、おやつ、読書や読み聞かせ、日記や工作、買い物や食事作り、行事への取り組みなど、さまざまな活動も行います。そして、体調や気分が悪いときは静養することもできます。また、みんなで近くの公園に遊びに行ったり、指導員と話し合って、クラスのともだちの家に遊びに行ったりすることもあります。
Q8 法律や国の制度はどうなっているのですか?
学童保育は、1997年に児童福祉法によって、「国および地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う」事業のひとつ(法制化)とされました。法律では、「小学校に就学しているおおむね10歳未満の児童であって、その保護者が労働等により昼間家庭にいないもの」に「授業の終了後に児童厚生施設等の施設を利用して適切な遊びおよび生活の場を与えて、その健全な育成を図る事業」とされています。
しかし、学童保育の内容を保障する条件を定めた基準(「国としての最低基準」)がない、国の予算処置は法的に決められておらず、「奨励的な補助金」とされ、しかも、実際に必要な金額と比べると非常に少ないなど、この法制化はたいへん不十分なものでした。
現在、学童保育の実施状況は各自治体により大きな差があります。誰が運営しているのか(自治体の直営、社会福祉協議会、父母会、NPO法人、他)、どこで実施しているのか(学校の余裕教室利用、学校敷地内の専用施設、民家借用、他)、どんな内容で実施しているのか(開設日・開設時間、対象学年、保育料、他)などは、各自治体や学童保育によりさまざまです。
これまで、簡単に説明をしましたが、お住まいの地域の学童保育についてはそれぞれの自治体にお問い合わせください。