<施策・機関の概要>

就学援助制度は、子どもたちが安心して楽しく学校生活を送れるように、憲法や教育基本法、学校教育法などに基づいて、義務教育である小中学校の子どもがいる家庭に、学用品費や学校給食費などを市町村が援助する制度です。毎月の給食費を払うのがたいへん。修学旅行の費用を工面できない――経済状況のきびしいいま、就学援助制度を利用する子どもは6人に1人といわれ、多くの小中学生が利用しています。

<Q&A>

Q1 くわしいことは、どうしたらわかりますか?

就学援助制度は、市町村が実施しています。自治体ごとに認定の基準や手続き、支給内容や金額が異なります。お住まいの市町村の教育委員会にお問い合わせください。お子さんが通う学校の担任の先生や事務職員に問い合わせても、教えてくれるでしょう。

ホームページや広報に説明を載せている市町村や、学校をとおしてお知らせを配っている教育委員会もあります。

Q2 就学援助でもらったお金は、後で返さなくてはならないのですか?

貸付金ではありませんので、返す必要はありません。安心して手続きしてください。

Q3 この制度を利用すると学校にかかるお金はいらなくなるのですか?

就学援助を受けても家庭で負担するお金はあります。援助される項目と金額は国がめやすを示していますが、市町村によって異なります。義務教育でも実際には、いろいろなお金がかかってしまうのが現実です。

Q4 だれでも就学援助を利用できるのですか?

小中学生のいる家庭なら、申請はだれでもできます。国籍も問われません。国立・私立学校でも利用できる自治体もあります。

Q5 就学援助が受けられるかどうかは、どうやって決まるのですか?

前年の世帯の年間所得が基準になります。その所得基準は自治体ごとに異なり、家族構成や生活の状況なども判断材料となります。

災害や病気、事故などで家計の状態が急変した場合は、認定の対象になることもあります。

Q6 担任の先生に勧められたのですが、就学援助を受けると子どもがいじめられたりしないでしょうか?

就学援助制度は、憲法や教育基本法に保障された教育を受ける権利を実現するためのものですから、そのことで、差別されたりいじめられたりするのはおかしいですね。だれもが権利として主張してよいことです。
申請者のプライバシーを保護するために、申請書を学校や担任の先生にではなく教育委員会に直接提出する方法をとっている自治体もあります。

Q7 車があったり持ち家だったりすると、認定されないのでしょうか?

それは認定の基準ではありませんので、認定の可否に直接かかわることはありません。

※このページは、全国学校事務職員制度研究会・「なくそう! 子どもの貧困」全国ネットワーク編『元気がでる就学援助の本』(かもがわ出版、2012年)P4-5 をもとに作成しています。