<施策・機関の概要>
子どもの医療費助成制度は、子どもが健康保険証を使って病院や診療所にかかったときの医療費自己負担の全額または一部を公費で助成する市区町村の制度です。
お住まいの自治体によって、対象となる人の範囲や自己負担金の有無、所得制限の有無、助成方法が異なります。制度の対象となるかどうかは、お住まいの自治体でご確認ください。対象者に自動的に医療証を送付している自治体もありますが、対象者であっても、申請しないと医療証を受け取れない自治体もあるので注意が必要です。
<Q&A>
Q1 対象者の年齢は、都道府県によって、どれくらいの差があるのですか?
「外来」では、中学校卒業まで対象にしている自治体から、2歳あるいは3歳までしか対象にしていない自治体まであります。
「入院」は、すべての都道府県で就学前までを対象にしています。中学校卒業まで対象にしている都県や小学校卒業までとしている道府県もあります。
ただ、都道府県の基準はあくまで補助基準であり、各市区町村が独自に対象を拡大している場合が多くあります。
なお、すべての都道府県が助成していますが、国からは一切助成がないため、利用者や自治体から「国が責任をもって助成してほしい」との強い要望が出されています。
Q2 対象になると、医療費は無料で受けられるのですか?
都道府県の補助基準では、全額無料で受けられる県は少なく、多くの都道府県は自己負担があります。「通院1回」につき、あるいは「入院1日」につき200円とか、500円、あるいは1カ月に1,000円・2,000円・3,000円など、まちまちです。
都道府県の定めた自己負担はあくまで補助基準であるため、各市区町村が独自に無料にしている場合があります。
Q3 所得制限も都道府県あるいは市区町村によって異なるのですか?
そのとおり異なっています。都道府県の補助基準では、所得制限を設けていない府県は少数派です。
所得制限の範囲は、児童手当の所得制限などを基準に使用しています。
Q4 自己負担分だけ払えば、他の費用は窓口で払わなくてもよいのですか?
通常、病院や診療所の窓口で自己負担分の金額だけ支払えば、他の費用は支払わなくてもよいのですが、自治体によっては、いったん立て替えて支払った後に、払い戻しを受ける手続きが必要な場合があります。
Q5 対象となった場合、病院や診療所を受診する時、何を持参すれば良いですか?
受診する時、医療機関窓口に、健康保険証と一緒に、対象者であることを示す「子ども医療証」(自治体によって名称が異なります)を提示します。
Q6 全国どこの医療機関でも助成の対象となりますか?
原則として、医療証が発行された都道府県でのみ助成対象となります。
都道府県外の医療機関に受診した場合は、いったん自己負担額を医療機関に支払い、後日役所で払い戻しの手続きを行うことで助成相当額が戻ってきます。
Q7 対象者には自動的に医療証などが発行されますか?
対象者に自動的に医療証などが発行される自治体もありますが、申請が必要な自治体もあります。
Q8 対象になっているかどうかは、どこで知ることができますか?
お住まいの市区町村役場の「子ども医療費の担当窓口」で確認できます。また、各市町村のホームページでも、確認することができます。
※ 都道府県別の実施状況は、2013年3月9日現在の実施状況をもとに解説しています。
※ 参考文献:
『医療福祉総合ガイドブック 2012年度版』NPO法人 日本医療ソーシャルワーク研究会編、医学書院、2012年。
「2012年2013年 くらしに役立つ制度のあらまし』全国生活と健康を守る会発行