<施策・機関の概要>
ひとり親家庭医療費助成制度は、離婚したり、父または母が亡くなり、ひとり親家庭となった子ども(対象年齢は都道府県により異なる)とその子どもを育てる父または母、あるいは子育てしている人が、健康保険証を使って病院や診療所にかかったときの医療費自己負担の全額または一部を公費で助成する市区町村(自治体)がおこなう制度です。
お住まいの自治体によって、対象者の範囲や自己負担の有無、所得制限の内容、助成方法が異なります。
制度の対象となるかどうかは、お住まいの市区町村でご確認ください。対象者に自動的に医療証を送付している自治体もありますが、対象者であっても、申請しないと医療証を受け取れない自治体もありますので注意が必要です。
<Q&A>
Q1 どのような子どもが対象となりますか?
両親が離婚した子ども、父または母を亡くした子どもが対象となります。
それ以外に、両親のいずれかが障害者である子どもや祖母と孫でひとり親家庭に準じる場合など、自治体によって独自の対象者を定めている場合があります。
Q2 対象となる子どもに年齢制限はありますか?
18歳になる年度末までの子どもを対象としていますが、20歳未満まで対象を拡大している自治体もあります。
Q3 子どもだけでなく、親や祖父母も対象となりますか?
Q1の対象となる子どもを育てている父または母も対象となります。
ただし、父母など子育てする人は対象とならない自治体や、母のみで父親は対象とならない自治体もあります。
Q4 Q1の子どもであっても対象とならない場合がありますか?
生活保護を受けている家庭の子どもは対象となりません。
また子ども医療費助成制度など複数の福祉医療制度に該当する場合は、自治体が使用できる制度の優先順位を決めています。
Q5 所得による制限はありますか?
すべての都道府県で所得制限を導入していて、「所得税非課税世帯」や「児童扶養手当の所得制限基準額」などを目安にしています。自治体によっては所得制限がいないところもあります。
Q6 自己負担金はなく無料で受診できますか?
いくつもの府県では無料で受診できますが、過半数を超える都道府県で自己負担額を導入しています。内容は1カ月1,000円や医療費の1割負担など都道府県によって異なります。
自治体によって、入院時の食事療養の負担額も助成対象としています。
差額ベッド代や診断書料など健康保険の対象とならないものについては、助成の対象とはなりません。
Q7 対象となった場合、病院や診療所を受診する時、何を持っていけば良いですか?
受診する時、医療機関の窓口に、健康保険証と一緒に対象者であることを示す「ひとり親家庭等医療証」(自治体により名称が異なります)を提出します。
Q8 全国どこの医療機関でも助成の対象となりますか?
原則医療証が発行された都道府県でのみ助成対象となります。
都道府県外の医療機関を受診した場合は、いったん自己負担額を医療機関に支払い、後日、役所でお金を払い戻してもらう手続きをとることで助成相当額が戻ってきます。
Q9 対象者には自動的に医療証などが発行されますか?
対象者に自動的に医療証などが発行される自治体もありますが、申請が必要な自治体もあります。
Q10 医療証に有効期限はありますか?
多くの自治体では、年1回の更新など有効期限を設けています。
Q11 対象となっているか、どこで知ることができますか? 申請はどうしますか?
お住まいの市区町村役場の「ひとり親医療費の担当窓口」で確認できます。
申請もその窓口でおこないます。申請に際して、健康保険証、児童扶養手当証書(児童扶養手当を受けている方。申請中の方は受付証でも可)、年金証書(申請中の方は受付証でも可)、戸籍の全部事項証明(申請者と子どもの戸籍謄本)が必要です。
また、各市区町村のホームページでも、確認することができます。
※ 都道府県別の実施状況は、2013年3月9日現在の実施状況を基に解説しています。
※ 参考文献:
『医療福祉総合ガイドブック 2012年度版』NPO法人 日本医療ソーシャルワーク研究会編、医学書院、2012年。
「2012年2013年 くらしに役立つ制度のあらまし』全国生活と健康を守る会発行