<<施策・機関の概要>

乳児院は、児童福祉法37条に定められた入所型の児童福祉施設です。乳児(特に必要のある場合には、幼児を含む)を養育し、あわせて退所したあとにも相談などの援助を行うことを目的としています。どのような理由にしろ、大切な赤ちゃんをどこかに預けるのは、ご家族の方にとってはつらいことであり、ご心配であると思います。赤ちゃんにとって一番の幸せは家族と一緒に暮らすことですが、家族の病気など様々な理由から家庭で育てられない場合に、児童相談所を通じて、赤ちゃんを預かり、家庭に代わり見守り育てるところです。

<Q&A>

Q1  乳児院はどこにありますか?

日本全国、都道府県に必ず1ヶ所はあります。平成25年3月には、全国に131ヶ所の乳児院があります。約3千人の赤ちゃんたちが生活をしています。

 

Q2  乳児院にはどのようにして、入所できますか?

お住まいの地域の児童相談所に相談してください。子どものことであれば、何でも相談ができるところです。相談内容により、入所が適当と判断されれば、入所になります。

 

Q3  乳児院の利用料はどうなっていますか?

費用は、公費によって主にまかなわれていますので、乳児院がおむつ代やミルク代などを保護者からいただくことはありませんが、ご家庭の収入に応じて都道府県などへの個人負担が発生する場合もあります。赤ちゃんの使いなれていたものや、「これがないと眠れないんです」といったものがあれば、相談してください。

 

Q4  乳児院に入所する理由は、どのようなものが多いですか?

家族の病気が半数を占めています。その内、お母さんの病気が80パーセントほどを占めています。その次に、ネグレクトなどの虐待が理由になっています。病虚弱児や何らかの障がいがある赤ちゃんの入所も増えています。

 

Q5  乳児院では、どのような人が働いていますか?

24時間365日、赤ちゃんの命と健康を守り育てています。そのために、保育士さん、看護師さんといった直接養育をする職員はもちろん、医師(嘱託医(しょくたくい))、栄養士さん、調理師さん、心理(しんり)療法(りょうほう)担当(たんとう)職員(しょくいん)さん、家庭(かてい)支援(しえん)専門(せんもん)相談員(そうだんいん)さんなどの職員さん、洗濯さんなど施設の大きさによって、さまざまな職員がお世話をしています。お子さんと担当する職員との人と人の(きずな)である愛着(あいちゃく)関係(かんけい)を深めるように努めています。

 

Q6  乳児院の生活はどのようになっていますか?

大まかな日課がそれぞれの乳児院にあります。生活が中心になっていますので、無理のないようにゆったりとしたものになります。散歩や遊びなど季節や天気に合わせてプログラムを用意します。専門的な知識を持った職員が、赤ちゃん一人ひとりに合わせた養育を計画的に行っています。

 

Q7 乳児院には平均してどれぐらいの期間いるのですか?

平均すると、1年1ヶ月ほどになりますが、1ヶ月未満が26パーセント、6ヶ月未満を含めると約50パーセントになります。ご家族の元に早くお帰しできるように、保護者の悩みや不安をお聞きし、ご家族とご一緒に取り組みます。乳児院の役割として家庭(かてい)復帰(ふっき)に向けた保護者(ほごしゃ)支援(しえん)家庭(かてい)復帰後(ふっきご)のアフターケアに取り組んでいます。

 

※このページは、全国乳児福祉協議会パンフレット「乳児院 赤ちゃんいのち輝いて」 をもとに作成しています。